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もう、2015年も半分終わり掛け、ご無沙汰しておりますが…
ゆっくりペースで今年2015年もコダワリの草履を作っております!
どうぞのんびりペースでお付き合いくださいませ。
(その分、込めた想いはうっとうしいくらい熱いかもです・笑)



2015年は、春夏/秋冬の2期にてお披露目致します。
色々なご縁で小ロットでこだわって他にないものを提案しておりますが、
年々、履物業界も職人さんや材料の問題で長年作られたこられたところが仕舞われたり…と、
少々暗い事情も深まり、益々日本の昔ながらの手業の危惧に直面。
なんせ今、草履の基本的な台の芯となっているコルクが、ものすごい勢い(今までの3倍以上)で高騰しているそうです。
それでもまだまだ「良い面白いものを作っていこう!」という高まりはあるもので、
そんな作り手のご縁もあり、
今回も春夏といいながらも少々遅くはなりましたが、仕上がりました(嬉)



2015年を吉祥に導いてくれる色のひとつに、ピンクがあります。
2014年の冬に出しました2015年に向かう草履・蒼彩 も今年の吉祥色を入れておりますが、
そこに盛り込めなかった色、優しく踊り舞うような雰囲気を作りたいと思っていました。

そんなことから、春夏のテーマは「花喰鳥(はなくいどり)」
花や枝を咥(くわ)えた鳥の姿は幸せを運ぶとして正倉院の宝物にも見られる由緒正しき吉祥文様です。
どんな姿かキニナル方は検索してみてください。

瑞鳥の羽ばたきから生まれる煌めきの色と、咲きほころぶ花びらの重なりを掛けてピンクのグラデーションで表しました。
今回は煌めきを大切にしたいと思い、コーディングもよりクリアな仕上がりを目指しました!
艶っつやに、煌めきベールを纏った台です。
そこに、ふわりと翼を羽ばたかせるふっくら白い鳥の羽根のような鼻緒。
福々しい姿は足に柔らかく極太の「真綿額縁仕立て」
実際に描かれる花喰鳥はもっとスマートな子かと思いますが、
私の中ではこの鼻緒の白鳥です(実は後から黒鳥も出てきます^^)
因みに白鳥もヤマトタケルが死後白鳥になったという伝説もあるくらい、
日本では昔から馴染み深い鳥なのです。



台の横には、アンティーク生地に織り出された花々。
元々は艶のあるコート生地。
着物を着始めた時、何も分からず「こんなコート着たい!」と思って骨董市で手にいれた洗い張りの反物でしたが、
良くみれば焼けなどもあり、さすがに年が合わなくなりました(笑)
綺麗なところを今回使っています。
コート生地なので、裏表の色の反転が洒落っ気な表情を出してくれます。
花喰鳥、実は目がいたずらっ子のようでお茶目なのです。

冬はほっそり目でしたが、今回は台のカタチもふっくら目の小判型。
踵を3段切り替え、前部分の高さを少し低めにして、オトナのセミフォーマル感も兼ね備えています。
ポップな洒落着も素敵ですが、およばれの席にも良い感じかと。
真夏の薄物季節にはちょっと鼻緒を暑苦しく重く見えちゃいますのでオススメ出来ませんが、
春の柔らかなパステルカラーのお着物コーデ、秋のこっくりとした色目、冬の凛とした空気に、
柔らかさと品を添えてくれると思います。
とりあえず、秋になったら私はコレを履いてホテルの美味なるアフタヌーンティに行きたい^^

淡い桜など次々と開花する花々の色の重 なりをたっぷり施した春色の草履、
そして、夏への移り変わりには竹皮の生成りを添えてさっぱりと色を控え目にした畳表の草履、
春と夏にはそんな履き変えも綺麗でオススメです。



で、今回ようやく念願だった畳表の草履を作りました!
畳表の草履は、台のすべてが竹皮を細く裂き、細やかに編んだもので出来上がっています。
今の多くのコルク台の草履になる前は、草履の基本はこの畳表でした。
竹皮で編まれた自然のしなりとクッション性に良く、足に優しい。
基本的に職人の手仕事のみで仕上げられていましたので、昔は当たり前でも今は段々その作る職人さんと材料が減ってきています。
昔から、下駄は日常のケの履物ですが、草履はハレの履物。
もちろん草履でも畳表草履でも、いろいろな種類と格に分かれていて、
今回のこちらは畳表の中でも品質高く、鼻緒の格によっては礼装にも履ける「南部畳表」
この「南部」とは、元々今の岩手〜青森の南部藩のこと。
ここで作られていた草履がその当時も高品質な作りで最高級と言われていました。
今は南部藩あたりでなくても、同じような高品質の作り畳表自体を「南部畳表」と言っています。



「南部畳表」の一番大きな特徴は、踵(かかと)あたりの真ん中にあるヘソのような窪み。
そして細く細やかに編まれていること。
「畳表」にはこの「南部表」と「野崎表」の二種があります。
「南部表」よりももう少し荒い編みが「野崎表」で、基本の編み方も異なります。
また、今回は畳表は清々しい竹皮の色ですが、竹皮を黒く染めたものが「カラス」と言われるもの。
汚れが目立ちにくいので、より日常履きに好まれています。



因みにこちらが普段履きに重宝している私の下駄の畳表たち。
手前の黒い色目が「カラス」で、奥は竹皮の色ですが編みの細やかさが「南部」とは違います。
これはコレで足に気持ち良く、浴衣の季節にも普段にも気持ちいい。



今回の畳表の草履は、台部分もすべて畳表。
後ろ7段、前3段の高さになります。
一番上の足が乗る部分は天と言われる部分なので、段数にはカウントされません。
草履の格は高さによっても決まります。
高い方がよりフォーマル度が上がります。
7段あれば、最上級の留袖にもOK。
今回は鼻緒も艶めきでフォーマル度を上げましたので、小紋から礼装まで大丈夫。

もしお背の関係や足の具合などで「高すぎる」とおっしゃる方には台の高さのご相談にも乗ります。
もちろん、男性の雪駄でのお作りもできます。
お気軽にお問い合わせください。

また今は「南部表」でも接着で仕上げている物も多く出ていますが、
これは昔ながらの熟練の手縫いの技で仕上げてられています。
何が違うかと言えば、しなり具合とクッション性。
自然素材の妙を体感出来るかと思います。
「畳表は滑る」とも聞きますし、実際最初は滑ります。
でもそれはまだ足になじんでいない状態ですので、
何度か履いていくうちに徐々に足になじんでよりフィットしてきます。
靴と一緒です。

着物や帯は大まかなサイズが合えば貸し借りも容易ですが、
履きクセのついた他の方の履物は、やはり気持ちが悪いもの。
大事に自分好みに履き育てていくのも醍醐味かと思っています。
丁寧に作られ大切に履かれたものは、もちろん長持ちします。
一番クセと痛みが生じるのは「鼻緒」の部分ですから、「鼻緒」を変えればまた新しい一足となります。
実際に、つい最近、5年ほど前にお嫁に出したお客様の草履の鼻緒変えをしました。
今は鼻緒の変えられない草履も人気ですが、
やはり足に合わせて鼻緒の調整がきき、長く慈しむことが出来ることを大切にしたいと思っています。

その時の記事は、こちら。
お気に入りの草履を末永く。

コトホギ屋で出しているものも、もちろん末永くメンテナンスのご相談にのりますので、
ぜひ「お問い合わせ」フォームからお気軽にご連絡くださいませ。

コトホギ屋 お問い合わせフォーム

皆様にとって佳きところへ導いてくれます一足に出会えますこと、願ってやみません。
今年の穢れを祓う水無月最後の日。
2015年の残り半分にも大きな幸がありますように願いを込めて。

彩詠
 

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